テーブルの”材料”を求めてリサイクルショップに行ったら。

今さらテーブルが欲しいのです。それも8人くらい座れるでっかいやつ。
 
そのクラスになるともはや材料費でバカにならないし、さすがに買おうと思ってます。方々探しているのですが、なかなか希望するものに出会えません。
 
 

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テーブルは、やっぱり無垢がいい

最近のものは突き板ばっかりで嫌になる。
突き板ってのは合板とか安い集成材、最悪パーティクルボード(木っ端や繊維を接着剤と圧力で固めて作った板)なんかの上に極々うすーく切った板、というか木のシートを貼り付けて無垢を気取ってるやつ。

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画像拝借:ツキ板屋

 
質感はそのままに安くできるという点で有能だし、木資源の節約にもなるし、精度が出しやすいので家具が作りやすい(=コストダウンにも)という理由はわかる。
わかるけどやっぱり食卓の顔たるテーブルはどっしりした木がいいなぁ、と思うわけです。
 
毎日拭くものだし、食卓のみならず作業台や勉強机にもなるだろうし、ハードな扱いで表面の化粧板が剥がれたらと思うとね。
 
 
 
 

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小ぶりなテーブルばかり

近頃、8人掛けっていうサイズもあんまりお店に置いてないようです。
妻の実家も僕の実家もでっかいテーブルがドンとある家だったし、そのテーブルこそが家族団欒の象徴だったりしたわけなので、どうしてもでかいのが欲しいんですが。
 
近隣のめぼしい家具屋はIKEA含め回ったけど見つからない。どこも最大6人掛けのばかりです。
8人掛けともなると80cm × 2100cmくらいが標準。そんなサイズのテーブルを置ける家ばかりではないだろうから、当然売れ筋なわけない。
つまり、しょうがないのか。ご時世か。
 
そんなわけで、新品の家具屋さんには見切りをつけました。
 
 
 
 

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人知れず宝の眠るリサイクルショップとは

時代に逆行したものを求めているので、時代を超越した店をあたることにしました。
リサイクルショップです。
 
リサイクルショップで家具を見つけるコツは、材料を探すくらいの気持ちでいくこと。
作られた時代的に中古の家具のほうが良い材料を使っているケースが多く、材料選びの体でいくと割といいものが見つかるのです。気に入った素材さえ見つければ、見た目は磨いたり塗装したり脚を付け替えたりでどうにかできるもんです。

クラシックな猫脚チェアの座面を張り替えてみました。
中古家具は「素材」と捉えるといろいろ惜しげなく遊べて楽しいので、リメイクおすすめです。クラシカルな座面の生地を、カジュアルの古着シャツを使って張り替えてみました。

 
 
さっそく付近で検索し、最高にダサい店名でいかにもダメそうな名前の店を発見しました。
私感ですが、こういう店はこの場合”当たり”です。
 

  • 店名がダサい&適当なほどいい。へんな当て字とかしてあると最高。
  • 店の体を為していない外観。整理整頓という言葉は皆無。
  • 周囲の景観を破壊するような突飛な色の外壁または手書きの看板など。
  • 来客にキョドるもしくは横柄。
  • 店の入口ですでにホコリ臭い、カビ臭い。

 
はやる気持ちを抑えて車で向かうと…果たして期待以上の店でした。上記、パーフェクトに満たしています。店内に入ると、並んでいるものの7〜8割はゴミに見えます。
 
比喩ではなく、引っ越しや遺品処分とかで不要の烙印を押されたものをまとめて回収し、ちょっとづつネットオークションなどに出しては価値を探り探りしているタイプのお店です。”誰の目で見ても価値のあるもの”はさっさと売れてしまって、そうでないものが残っているのです。
 
 
これがオフハウスやトレジャーファクトリーなんかになると、お客さんが売りに来たものを買い取る=そもそも価値があるものの取引なので、その後の売値もけっこう強気に。しかも回転も早いのでタイミングがよくないとこれといったものに会えない。

まぁ店が綺麗で入りやすいから僕も好きだけどね、トレファク。でもたまにはこういう突飛な店に冒険すると面白いものが見つかったりします。
 
 
 
 

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店内はすこぶる不快

店内に入ると、1階は家電と食器・その他細々したものが溢れんばかりに。
 
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2階へ上がるとスリッパへ履き替えるよう言われました。ベタベタして不快この上なし…。
並んでいるのはスピーカーや絵画、人形(怖い)、事務机・椅子・什器・・・そして最奥にお目当がありました。
 
 
 
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見よ、この宝の山。
 
脚はいかようにも付け替えできるので、座卓でも全然問題なし。天板さえいいヤツならいいのです。片っ端からモノを確かめていきます。
 
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いいやつキター。
立派な無垢板で色もよく、表面の樹脂仕上げも分厚くてキレイ。お値段なんと3,500円。
こいつはすごい、1件目にしてとんでもなく当たりを引いたと思いました。
 
こういうものに出会えるとそれまでの不快感なぞ吹っ飛びます。
考えてみれば、秘境の洞窟然り、沈没船しかり、宝の周りは不快な環境だよね。
 
 
さてさて詳細なチェックと値段交渉をしたいところですが、ここから一悶着起こるのです。
 
 
 
 

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圧倒的塩対応

予想をはるかに超えた凄まじい店でした。
”客”としてのアイデンティティーが揺らぐほどの圧倒的塩対応を見せつけてきます。
 
 
塩対応1:見にこない
買います、配送してくれ。と一階の事務所に声をかけに行ったら、座っていた社長が、見るから降ろしてこいと言ってきました。
 
ジジイ正気か。コーヒーカップ買うんじゃないんだぞ。
店員のおじさんはいや、降ろすってもデカイぜと止めてくれたんだけど、いいから降ろせと譲らぬ社長。らちがあかない。
 
 
塩対応2:お前が舵を取れ
しかたがないのでそのテーブルを出そうとするも、僕が手伝う前提でした。正確に言うと、出すのは僕で、おじさんは手伝ってやるっていうノリ。
じゃあここにスペース作って、重なってるテーブルをどけていきましょうか…ってそんな段取りまで客まかせで逆にいいのか。
 
 
塩対応3:傷つけずにはいられない
ブツはよりによって一番下。上に積んであるテーブルを退けていくのですが、おじさん普通に引きずって、律儀に下のテーブルすべての天板にガッツリ傷をつけていきます。仕事が荒いとかいうレベルじゃないよ。
お前が今傷つけたやつな、今から買おうとしてたやつだぞ。
 
 
塩対応4:二重価格は突然に
ようやく目当てを掘り出したらなんと、上に積んであるテーブルの脚に隠れて55,000円の値札。驚きの二重価格表示です。
内心10万超えてもおかしくない品だなとは思っていましたが、3,500円の値札がご丁寧にテープで止めてあるのに、いきなり10倍以上の値札がついていてちょっと動揺してしまいました。
 
 
塩対応5:ナチュラルに証拠隠滅
平静を装って3,500円でいいんだよね、そんなら買うよ、と言ったら、おじさんは急にこれは木がいいからとかもにょもにょ言い出して階下へ。
ここへ来てようやくえっちら階段を登ってきた社長は、即座にこんなんダメだと言って3,500円の値札を握りつぶすのです。
 
打たれすぎてもう膝に来てる。ほんとすげぇな、この店は。
 
 
 
 

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やめられないリサイクルショップ巡り

けっきょく、若いもんが勝手につけただの、こんないい木が3,500円なんてありえないだのブツブツいい続け、3万でいいよとの提案。いっそ清々しくて腹も立たない(ちょっと立った)。
 
木としては本当に良いもので、正直3万でも破格。でも買い物にケチがついた感が否めなかったので、ここはいったんクールダウンしようと見送ってしまいました。
 
 
あそこで眠らせておくにはもったいないので、気持ちが落ち着いた頃に再度訪れて2万円くらいで買いたい。そんな気持ちでいます。
 
 
 
 
とまぁうまくいかないこともありますが、楽しいよ、リサイクルショップ。
 

まさかの猫脚テーブルを買いました。
長丸型、猫脚、深みのあるいい色。思いがけず可愛いテーブルに出会えました。

後日、けっきょく全然違うタイプのテーブルにしてしまった。
でもこれもリサイクルショップで買ったものです。