これが正解。電動ドライバーのおすすめと、種類・選び方の超解説。

【これが正解】電動ドライバー の おすすめ と、種類・選び方の超解説。


電動ドライバーは”家庭に必須の道具”ポジションにまでなってきてますが、「電動ドライバー(ドリル)」に含まれる範囲、広すぎ! 製品多すぎ! で、どれを選べばいいか分かりづらいですよね。
 
よってここでは

  • 「電動ドライバー」に含まれる工具3種類の説明
  • それぞれの特徴と選ぶときのポイント
  • それぞれのおすすめ機種

を書いてます。
「こういう作業がやりたいんだけど、どれを選べばいいの?」っていう疑問についての回答です。長いので、必要と思うところをつまみ食いして見てください。
 
 

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まずは前提。「電動ドライバー」の種類

どんな用途に使いたいかはあなたの中で決まっているとして。どういうやつがそれに合うのか、まずは知らないとですね。
一般に「電動ドライバー」とか「電動ドリル」とか呼ばれるものは

  1. 小型電動ドライバー
  2. ドライバードリル
  3. インパクトドライバー
DIY向け 電動ドライバー(ドリル)の種類

の3カテゴリーに分類できます。

最初に買うべきものは上の3種類のうち、どれかです。
それぞれの特徴とか細かいところは後で述べますが、おおよその守備範囲はこんな感じ。

 

インパクトドライバー、電動ドリルドライバー、小型電動ドライバー、それぞれの用途・作業範囲

ご覧のとおり、「電動ドリルドライバー」が一番できることの幅が広い。
なので確実にインパクトドライバーが必要な状況でない限りは、最初に買うのは「電動ドリルドライバー」がベターです。
「ウッドデッキを作りたくて道具を探してる」っていう人はインパクトドライバーをどうぞ。
 

ドリルドライバーだってウッドデッキを作れなくはないんですが、場合によっては下穴を開けるとか、休み休み作業するとか、ひと手間かかると思ってください。無理させると工具の寿命も縮まります。
その辺の理由(インパクトドライバーがなぜにそこまでタフネスか、など)は後述するので、興味があれば「インパクトドライバーの特徴」の項をお読みください。
ここまでであなたの求めるものはどれか、だいたい分かったと思います。

 
あとはそのカテゴリの製品の中で

  • コード式かバッテリー式か
  • どのメーカー、どんな見た目のにしようか
  • 値段はどうだ

っていうあたりが判断基準になってくると思いますが、どれを選ぶにしても、ここだけは外さないほうがいいっていうポイントが2つあります。
 

このメーカーから選ぶ

電動ドライバーのおすすめメーカー


DIY向けに良い製品を多く出していて、ホームセンターや通販で簡単に入手できるのはこの5社。
※HITACHIは「HiKOKI(ハイコーキ)」というブランド名に変わりました。
 
 

バッテリーはリチウムイオンのものを選ぶ

逆に言うと、ニカド電池・乾電池は避けるということ。妙に安い工具はニカドバッテリーの場合が多いので注意。
 
 
この2点を気にかければ、まずハズレは引きません。
メーカーや、リチウムイオンバッテリー指定の理由が気になる方は↓を読んでみてください。
「ビット」とか「チャック」とか、用語がようわからんという人も読んでみてください。細かく説明してます。

DIY初心者に向けて電動ドライバー選びの基礎知識をまとめました。
DIY初心者が電動ドリルドライバーを選ぶとき、知っておくといい用語や基礎知識、選ぶときの判断基準になりそうな事柄をまとめました。ある程度知っておくことで余計な選択肢を排除でき、粗悪品を買わずに済みます。

  

この先は、3種類それぞれの特徴の説明・おすすめ機種です。
飛ばしたい方は飛ばしてくださいね。

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「小型電動ドライバー」の特徴、選ぶポイント

特徴・用途

軽量かつ基本的にバッテリー式なので、取り回しがよい。
経験上、家具を組み立てる時にコード式はけっこう邪魔です。しかも片手でパーツを支持してたりもするので、軽量なこういうドライバーは重宝します。
 
回転もゆっくりめ。電動ドリルドライバーやインパクトに慣れてるともどかしい感じもしますが、うっかりネジを舐めたり、家具の部品を傷める心配はかなり少ない。
 
注意したいのは、工作に耐えるようにできてないということ。
つまり、ネジを締めるところに、下穴が空いているのが前提。
3,000円程度の電動ドライバーについてAmazonのレビューを見ると、「ツーバイフォーにビス4本打ったら壊れた」というような意見が多いですが、それは当然の結果なのです。
 

こんな人に向いてます

・DIYに手を出すことはないと言い切れる人
・インパクトドライバーのみ持っていて、サブ機にドライバーもほしい人
 

選ぶポイント

-安心できるメーカー製を。
→ 価格帯的に参入しやすいのか、有象無象な製品も多い。玉石混交(石多め)状態な市場です。ハズレを引かないために、まずメーカーで絞り込むと良い。

-バッテリー式であること。
→ 軽量・小型ならではの取り回しの良さがメリットなので、コードがついてたら魅力半減。格安の品は乾電池式だったりもするので、かならず「リチウムイオンバッテリー」のものを選んでください。

-クラッチ付きを。
→ 「クラッチ」とは 、締め付け時に過剰な力をかけてネジ穴や木を痛めることがないよう、一定の締め付け力以上になると空転させる機構です。

電動ドリルドライバーのクラッチ

 
 
目安の価格帯は
(まともに使えるものは)3,000円〜5,000円くらい。
 
 

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「小型電動ドライバー」のおすすめ

ポイント
4千円を切る価格、クラッチ機能付き、コンパクトさ・手軽さ、十分な付属ビット。
IKEAを筆頭に最近の組み立て家具で多用される、4mmの六角ビットも付属しています。
 
僕自身使ってまして、非常にバランスのよい製品だと思ってます。
使用感や各機能のメリットなど、詳しいレビューはこちら。

ポイント
充電用のクレードルが付属して、ビット類もまとめて収納できる。
ビスを支持してくれるキャッチャーがついているのがユニーク。けっこう便利かも。
 
 

ポイント
長らくこのクラスのベストセラー。5,000円前後と少し高めの価格だけど、完成度も高い。

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「ドリルドライバー」の特徴、選ぶポイント

ちょっとDIYに足を踏み入れてみたい人は、このドリルドライバーを選びましょう。
 

特徴・用途

ビットを交換することで、ネジ締め、穴あけ(木工・鉄工とも)、磨き・サビ落とし、などいろんな作業に対応できる工具です。
 

電動ドリルドライバーのチャック(取り付け口)

今の製品はほぼキーレスチャック(右)でしょう。手だけで十分にビットの締め付けができるものです。
 

電動ドリルドライバーのクラッチ機能

クラッチも付いているはずです。軟かい木材に必要以上にビスを食い込ませることもなくなります。
 

こんな人に向いてます

・なにを作るか決めてないけど、DIYを始めてみたい人
・取り急ぎ家具組み立てがしたいけど、いずれ何らかDIYしそうな人
 

選ぶポイント

グレード・価格とも幅広いだけに難しいところですが、こんなところに注意してみてください。
 
-コード式にするかバッテリー式かを決める
→ コードかバッテリーかで倍くらいの価格差になるのでけっこう悩ましいのですが、基本的にはバッテリー式を買っておいたほうが何かと良い。取り回しが楽だし、電源確保の心配をしないで済むのが最大のメリットです。
 
家が戸建でお金がないならコード式も可。庭とか家の前でも電源取れるだろうから。
マンションの場合、建物前の道路や駐車場などで作業したいケースで電源に困るので(困った)、無理してでもバッテリー式かなぁ、と思います。

30mの延長コードでマンション4階から電源を引いたのは僕くらいのものでしょう・・・

 
-バッテリー式ならリチウムイオンバッテリーが2個付属しているモノを。
→ 作業中の充電切れに対応できるから。近年のまともな商品はバッテリー2個 + 急速30分充電器の同梱が普通です。
バッテリー電圧は、家庭用なら12V〜18Vくらいで。7.2だとちょっとパワー不足になるかも。数字が大きいほどパワーが出ます。
 
-見た目で気に入ったやつを。
→ やっぱり見た目が好きな道具の方がアガるので。これからDIY始めたいならなおさら道具への愛着は大事です。
 
 
目安の価格帯は
汎用性が高い道具だけに、価格帯も参入メーカーも幅広いです。
コード式なら5,000円〜8,000円、バッテリー式なら12,000円〜15,000円くらいが安心できる製品の価格帯でしょう。
 
 

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「ドリルドライバー」のおすすめ

ポイント
バッテリーが2個付いていながら1万円前後のお手頃感(基本的にバッテリーが高いのです)。安心のmakita製品、といったところで間違いないなと思えるものです。

ポイント
15,000円前後で、DIY向けとしてはハイグレード。バッテリー電圧も14.4V〜と強力なので、長ビスを打つ・大径の穴あけなど、負荷のかかる作業時だって余裕があります。
 

予算が厳しいのであればこんな選択肢も。

ポイント
ググッと安くなって、7000円前後で買えます。
コード式なので取り回しが少し手間だったり作業スペースが限定されますが、バッテリーがない分”軽い”のが女性には嬉しいところ。
もちろん基本的なDIY作業はきちんとこなせるスペックです。

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「インパクトドライバー」の特徴、選ぶポイント

特徴・用途

インパクトドライバーの仕組み(概念図)

モーターの回転力に加え、ハンマーによる衝撃で強力な締め付けを実現。
 

ザックリですが、こんな仕組み。モーターで回転させつつ、トルクがかかる(負荷が大きくなる)と軸に付いてる突起をハンマーが連続して打ちつけ、回転する方向に力を添えます。
それによってモーターへの負荷が軽減されるので、多量のビスや太め&長いビスを連続して打つといったシチュエーションに強いわけです。
 
逆に繊細な作業は苦手で、小型の組み立て家具なんかには向きません。
締め付け力が強すぎるあまりにネジをナメてしまったり、ねじ込みすぎて部材を痛めてしまったり、というようなことが起きます。
 

ビットの取り付けは六角軸のスリーブ式(左)が一般的。
六角軸のドリル刃もあるので穴あけも可能ですが、細いものだと振動で刃が折れることがあります。
 

こんな人に向いてます

・まず作りたいものがウッドデッキ。
・まず作りたいものが小屋。
・セルフリノベーションしたい。
 

選ぶポイント

インパクトドライバーともなると安かろう悪かろうのメーカーはあまり参入してなくて、RYOBI、ブラックアンドデッカー、Makita、日立HiKOKI、BOSCHならどれを買ってもほぼ大丈夫でしょう。
見た目で選んで愛着持つのがよいのではないでしょうか。
ただし、近頃見かけるペン型などの小型インパクトについて一点だけ。
 
-小型・ペン型について

家庭用にあえてこれを選ぶ必要性はないかなーと思います。
こういうのは狭い場所での作業が必要だったり、持ち歩く工具が多くて少しでも軽量化したいプロが、サブ機として選ぶタイプです。
 
そもそもDIYでインパクトドライバーを買う理由に「それなりの工作で、パワーが必要」っていうのがまずあると思うので、しっかりとしたサイズかつ押し込む力がかけやすいものを選ぶのがベター。
 
 
目安の価格帯は
有線で8,000円〜、バッテリー式で14,000円〜くらい。
 
 

買う前に、作業音に注意したい

作業時の音はかなりのもので、集合住宅や小さい子供がいる世帯ではちょっと使用をためらうレベルです。ドリルドライバーは「キュイーン」って感じの回転音ですが、インパクトは「ガガガガガガッ!!!」っていう衝撃音の連続になります。
僕の娘(幼児)も慣れるまではかなりこの音を怖がりました。
 
ホームセンターの試用コーナーで確認してみて、気になるようならドリルドライバーを休み休み使ったほうが無難です。
 
 

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「インパクトドライバー」のおすすめ

ポイント
バッテリー2個付き & 比較的安めで、安心できるメーカー製。どちらも15,000円くらい。
いま流通しているものの中では比較的安く、付属品(バッテリー)等々も充分なのでオススメです。
 
 

お金があんまりない人へのおすすめはこちら

ポイント

  • バッテリー切れの心配がない有線式
  • コード長5mと十分な長さ
  • バッテリーがない分、軽い
  • 安心のMakita、しかも比較的安い(1万円切る)

僕もこれを持っていて愛用しています。お金ないから。
 

マキタ makita インパクトドライバ MTD0100 使いやすい

コード長5mは十分な長さで、作業時に届かないなどという間抜けなことはありません。が、長すぎる感はあって、移動や片付けがややめんどい。
欲をいえば取り回しが楽チンなバッテリー式のが欲しいところですが、やはり値段は魅力。ゆえに後悔はないです。

そしてバッテリーが無いことによる軽さは意外なアドバンテージです。腕力に自信が無い人にオススメ。基本片手で持って、振動を腕に受けながら使う道具ですから。

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初めてドリルを買う前に、できるだけ実物に触ってみよう。

握ってトリガー引くだけの工具とはいえ、侮ってると怪我します。
全く触ったことがないのであれば、ホームセンターの試用コーナーで握ってみて、ビスの一本も打ってみるのがお勧め。それだけでも重量バランスとか握りやすさなどが分かるでしょう。
 
手の小さい人なんかは特に一度、現物を持ってみたほうがいいです。
片手で保持できるか、トリガーは引きやすいか、正転逆転の切り替えはやりやすいか、バッテリーの付け替えも簡単にできるか、など、いろいろチェックしてみてください。

最近のはわからないですが、一昔前のブラック・アンド・デッカーはバッテリー外すのがけっこう固くて難儀しました。

 
DIY系のワークショップに行ってみるのもいいかもしれません。
 
安全な持ちかた、力の掛けかた、手にかかる負荷、どういう時に怪我しやすいかなど、文字だけじゃ伝わりません。やっぱり体感に勝るものはないのです。
 
近頃ではちょっとしゃれた街にシェア工房があったりして、ワークショップもなんだか身近になってきた感ありますね。
>>>全国のものづくり・DIY講座をエリアから探す

ワークショップで借りて気に入ったやつを購入すれば間違いない。
 
 

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よくない道具では仕上がりもよくない。いい道具を使おう。

いい道具とよくない道具の差は、腕前ではカバーできません。
 


例えば、こんな↑。ドリル刃でも、いいものとよくないものでこうも変わるのかっていう。
 
ドリルドライバーも同じで、重さや電源の確保や取り回しなどにストレスがない道具を使うと、疲れにくいし、余計なことを気にかけなくて済む。
疲労度の違い、集中力の違い。それは仕上がりに直結してきます。
だからいい仕事をするプロほど、いい道具を使い、道具を大切にしています。
 
 
組み立て家具の需要が増えたりDIYへの関心が高まったおかげで、電動ドリルドライバーはペンやハサミのように、どこの家にも必ずあるハンドツールになりつつありますが、需要が多いだけに粗悪品もまた多い。
せっかく買うなら、使いやすくて壊れづらい、ストレスのないドリルドライバーを手元においてもらえたらと思います。
 

みなさんも良い道具でよいDIYライフを。

 
 
【関連記事】この記事の補足的な予備知識(基礎知識)をまとめました↓