電ノコ。もしくは丸ノコ。
ある程度DIYをやると欲しくなる道具の一つだけど、ホームセンターで値段を見るとピンキリで、どれを買っていいやら悩む人も多いんじゃないでしょうか。
ここでは、
- 安いやつと高いやつの違い
- DIY初心者が丸ノコを選ぶときのポイント
- おすすめの機種
を書いてます。
「安いのからすごい高いのまであって、どれを買ったらいいの?」「どこを比べたらいいの?」っていう疑問への回答になればと思っています。
丸ノコのピンキリの価格差はどこから生まれるか
一番上の写真は、僕の丸ノコです。某ホームセンターのプライベートブランドで、安物です。5,000円前後だったと思う。
これをもうかれこれ・・・10年? くらい使ってます。DIYで家のリノベーションをしている僕ですら、これくらいで必要十分なのです。
「木を切る」だけならそうそう差はない
丸ノコは比較的シンプルな電動工具で、言ってしまえば刃をモーターでぶん回して切る、それだけ。それはピンからキリまで全て同じです。その構造(モーターと刃の位置)も、ほぼ同じ。よって、切れる材料の厚さも当然ほぼ同じ。
切りやすさも、本体よりは刃の切れ味に影響されるもので、その替刃も規格化されているのでどの本体でも同じ刃が使える(刃の直径が同じなら)。
つまり、「木を切る」という本来の役目のところでは、あんまり優劣付きづらいんですね。
ではいい製品(高価な製品)はどういったところで高くなっているのか。
プロ向けの丸ノコが高い理由
makitaやHITACHIなどの一流工具メーカーの製品が高価なのは、ずばりプロ仕様だから。具体的には
- 多少落としてもぶつけてもビクともしない頑丈さ
- 連続作業に対しての耐久性
- コードレスによる取り回しの良さ
- 使い勝手をよくするための重量配分・設計
- 後の掃除を楽にする集塵機構(現場はキレイに、が鉄則)
こういったふうに主に作業ストレスを軽減する目的でいろんな補助機能をつけている。
毎日何度も使うプロフェッショナルのために、ただ「木を切る」ではなく「快適に木を切る」ことができるように作られているんです。
よってそれなりの価格になるわけです。
つまりそれらのほとんどは、DIYでちょこっと使うにはもったいないくらいにオーバースペックなんですよ。
丸ノコを選ぶときの比較検討箇所
シンプルな工具ゆえに、基本的なところで比較できるのはこのくらい。
電源はコード式かバッテリー式か
バッテリーが高価なので、それだけでかなりの価格差に。基本的にはコード式で十分です。
「マンション住まいかつ外で作業したい」などという事情があればバッテリー式の方がストレスないでしょうね。
電源確保大変ですから。
刃の直径
直径135mm、165mm、190mmなど、何種類か規格があります。直径が大きいほど厚い材料も切れる。
しかし135mmでは角材の切断が難しくなるし、190mm径はそうとう大きく扱いづらくも。中間の165mmがバランスよくおすすめです。機種にもよるけど、165mm径の刃で切断可能な厚さは55mm〜65mmくらい。
回転数
木材カット目的の165mm径の丸ノコなら、およそ5000回転/分が目安。速い方がカットしやすくはある。
とはいえ速すぎても遅すぎても安全性や切断能力に影響が出るので、だいたいどの製品も同じくらいのスピードです。
ベースの素材
ここはアルミが良いですよ。滑りが良く、サビが出ず、歪みも出にくいからです。
安い丸ノコはここを鉄製にしてコストを下げてきますが、鉄は落としたりぶつけたときに歪みが出やすいので、あんまりおすすめできません。
歪むと真っ直ぐ切ることがかなり困難になります。
集塵機構
最近では安い機種にも付いてて羨ましいです。
絶対必要な機能って訳ではないですが、丸ノコってかなり木屑・粉塵が出るので、ないよりはあった方が良いと思う。
まぁそうすると集塵機も必要になってきますが・・・。
そのほかの機能
刃先を照らすLED、カット線が隠れないように木屑を飛ばしてくれるブロア機能など。あれば便利だけど、ないならないで困らない機能です。
おすすめ機種比較。基本スペックは同じくらい。
Amazonで「アルミベース」「165mm径」の安いものを探すと、3つが候補に挙がりました。
それらと、ついでに僕の丸ノコのスペックを比べると、こう。
さすがに切り込み深さや回転数はだいたい横並びなのがわかると思います。もっと細かく見れば、おそらく精度だとか、モーターの質なんかで僕の丸ノコ(一番右)は一段落ちるでしょうが(それでも10年問題なく使えてるけど)。
バッテリー2個付き、5万円台の機種2つと僕の丸ノコのスペックを比べると、こんな感じ。
もちろん他にも付加機能は多くあるのですが、単純な切断能力だけで見ると
- 1cm余分に切り込める
- 逆傾斜(5°)が付いている
それだけとも言えます。
比較した丸ノコはこちら
価格順に並べてます。上3つはモノがしっかりしていて比較的低価格と、おすすめ。
ポイント
(株)高儀は聞き慣れない会社ですが学校教材からプロ用工具までを手がけていて、信頼の置けるメーカーです。
ポイント
安心の日立工機製。この青は家庭用シリーズです。あれこれ悩むくらいならこれ買っておけばまず安心、っていう品質とスペック。
ポイント
電動工具といえばmakita(マキタ)。これもまず間違いない、マキタのDIYシリーズです。回転数5,500/分と速いので、サクサク切れますね。
下二つは比較材料というか、DIY用途ではもったいなさすぎるかも・・・
もちろん、お金に余裕があれば全然いっちゃっていいと思いますよ。
家のフルリノベーションを自分で!ってくらいに使い込む人には百人力にもなってくれるでしょう。
きれいで正確なカットのために、合わせて揃えたいもの。
ここまでで見たように、単純な切断能力では安い機種も高い機種もそう大差ない。
ゆえに本体を安めに抑えて、浮いたお金で「補助ツール」を一緒に揃えるというのが僕のおすすめ。
一つはガイド。
もう一つは替刃です。
詳しい理由などは別記事に書いているので、よかったらご参照ください。
最後に。丸ノコを使わないで済むように考える。
丸ノコは持ってるとワクワクしますが、シンプルな機構のわりに、正確に扱うのはけっこう難しい工具です。
パワーも重量もあるので、少なくとも補助となるガイドと、その使い方を知らないとまともなカットはできません。
ゆえに、そもそも論になりますが木材の基本的なカットは、材料を買いに行ったホームセンターでお願いしましょう。木材カットを受け付けていないホームセンターの方が少ないはず。
どう切るかを紙に描いて持っていけばそのとおりにやってくれますので、あとは持って帰って組み立てるだけ。
それでも家でカットしたいなーって場面があるなら丸ノコの出番なわけですが、カットする距離が30cm以下のことが多いなら、いっそスライド丸ノコを検討した方がいい。こちらの方がよっっっぽど初心者にも扱いやすいです。
詳しくは、こちら↑に。
31cm幅の材までカットできるので、僕は大きいところはホームセンターで切ってもらって、30cm以下のカットで済むところは家で切る、というふうにしています。
全部自分で切るよりも速くて正確だし、丸ノコ使う準備いらないし、楽だし、車に積みやすくなるし。
というわけで、なるべく丸ノコを使わないで済むように段取りするといいんじゃないかな、と個人的には思ってます。