1984年製のジャノメミシンが壊れた? 分解修理してみた。

ティッシュケースを試作しようとミシンを引っ張り出したんですけど、なんか不調。
上糸がブツブツ切れてしまって全然縫い進まないのです。
 
はずみ車を回してみると、一定のリズムで重くなる。その時に上糸にテンションがかかりすぎて切れる、そんな感じ。
 
僕より年上のミシンなので、さすがにメーカー修理もできなそうな・・・。また、基盤等ではなく機械的な不調のようなので開けて見てみることにしました。
 
目覚まし時計から始まって数々の機械を分解してきた経験値があるので、コンピューター制御でもなければなんとか手に負える気がするのだ。

 
 

右サイドからご開帳。中ってこんなふうになっていたんだなーとひとしきり観察。
 
はずみ車を回してみると、やはり一定のタイミングでベルトの張りが強くなり、はずみ車が重くなる。始めは「ギアの軸が曲がってる?」などと勘ぐるも、異常はないようです。

 

そしたら原因はもっと基本的なところでした。ギアにゴムベルトのカスが固まって詰まってる。
これが数カ所あったので、その分ベルトが引っ張られて重くなったのだな。
 
なかなか強固にひっついていたので、目打ちで抉って落としました。

 
 
分解ついでに各部、清掃と注油。
考えてみれば僕の手元にきてから注油した覚えはなく、その前も実家でどれだけメンテされていたか・・・。

 

上部カバーをとったところ。真ん中のシャフトがはずみ車と天秤をつなぐもの。
はずみ車を回しながら、動く箇所すべてに注油。ホコリ・サビはほとんどなかったけれど、油は切れ気味だったみたい。これだけで相当動きが軽くなりました。

 

ボビン釜の下側のカバーを外したところ。
糸が擦れるところなので、繊維クズのホコリがすごいことに。でも30年分にしては少ない気がする。
ここは合間合間に掃除されてきたのかな。

 

ひとしきりホコリと古いグリスを取り除いて、矢印のところは再度グリスアップ。

 
 
ちなみにグリスを使ったところ以外の可動部分には、シリコンスプレーを吹きました。
ミシンの内部は樹脂パーツ、ゴムパーツも多用していたので、そのどちらも侵さないシリコンスプレーがもってこい。

溶剤系の潤滑油ではこうはいかぬ。

 
 
分解清掃を終えて、もとどおりカバーをつけて、試運転したらば。
めちゃくちゃなめらかな動きになりました。すごい、なんでも縫える気がする。

 
しかし、ゴムベルトのカスの詰まりなんてこれまでにもあってもおかしくないと思うのだけど、今までそんな症状が出なかったのが不思議です。
ふとしたタイミングでベルトがずれてカスができやすくなっちゃったとか、かな。
なんにせよ、ある程度の仕組みもわかったのが収穫でした。

 
これでこれからも時折メンテナンスしながら、モーターが焼き付くかゴムベルトが切れて交換品が見つからなくなるまでは永く使えそうです。
 
 
 
しかし残念ながら、これをきっかけにさらに不調になりました・・・。
症状は数針で糸が確実に絡まってしまうというもの。ミシンとしては最悪の故障かも。
せっかくなのでこれの解決編もお楽しみください↓